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マグネシウムの基礎知識:規格

マグネシウム合金の規格
マグネシウムのJIS規格は、主にISO規格に準拠されています。ISO規格で不十分な部分はアメリカのASTM規格を参考するなど、国際的にも通用するような内容になっています。
マグネシウム合金の規格タイトル一覧表pdf
マグネシウム合金の種類
構造材用として使用されるマグネシウム合金は、それぞれの用途に応じて、Al、Zn など添加元素を加えて使用します。これらは結晶微細化方法の違いにより、 Mg-Al系およびMg-Zr系の2種類に大別されます。

①鋳造用マグネシウム合金(含:ダイカスト用合金)
合金元素としては、強度と鋳造性を得るための基本元素Al、Zn、結晶微細化のためのZr、耐熱性をもたせる希土類元素がある。鋳造用マグネシウム合金の化学組成と機械的性質pdf(含:ダイカスト合金)を表に示す

(i) Mg−Al系

  • Mg-Al系合金はマグネシウム合金の基礎となる合金で、一般に機械的性質は良い。
1. Mg-Al系合金
Mg-Al系は、α-Mg固溶体とβ-Mg17Al12化合物の共晶系で、最大固溶12.7mass%(437℃)である。Mg-10%Al合金である AM100Aはα単相組成であるが、非平衡β相が多量に晶出するので十分な溶体化を必要とする。最近では、エアーバッグ装着用ステアリング・ホイール芯材 に靭性を高めたAl含有量の少ないAM50A,AM60Bダイカスト材が多く使用されている。
2. Mg-Al-Zn系合金
Alを9%、Znを1%含むAZ91系は機械的性質や鋳造性などバランスの取れた代表的なマグネシウム合金でダイカスト合金として最も多く使用されてい る。特に、AZ91D合金は、高純度耐食性合金として、自動車、コンピュータ、携帯電話、各種ハウジング類、スポーツ用品など多岐にわたって使用されてい る。また、チクソモールディング(プラスチック成型機である射出成型機を用いてマグネシウム合金を成形加工するプロセス)でも、このAZ91D合金が主に 用いられている。 AZ系では、AlとZnの含有量によって異なるが、α固溶体と、β-Mg17Al12化合物 Mg32(Al,Zn)49化合物のいずれかが、また両方の化合物が共晶として晶出する。溶体化処理・時効により、粒界反応析出が起こり、粒界における偏析が著しい。

(ⅱ) Mg-Zr系

1. Mg-Zn系合金(ZK51A,ZK61A)
Znを添加すると、耐食性は良くなる。341℃でZnは8.4mass%固溶し、温度の低下とともに減少し、150℃で1.4mass%となる。引張強さは Znが4mass%付近で最大となり、それ以上添加量が増えても減少する。伸びはZnが2%付近で最大を示す。
Mg-Zn系合金はZnの固溶硬化とMgZnの中間相の析出硬化により強さが増すが、さらに機械的性質を向上させるため、Zr添加により結晶粒微細化を 図る。Mg-Zrは、包晶反応系で、Zrを添加すると、α相中央部にZrに富んだコア組織が形成される。Zr添加による結晶粒微細化効果は、Al、Mnを 含む合金系ではみられない。
ZK61Aは実用鋳造用マグネシウム合金で最大の比強度を持つ合金の一つであり、この合金系は常温での強度と靭性に優れた高力合金である。
2. Mg-希土類元素系合金(EZ33,ZE41,QE22A,WE54A,WE43A)
希土類元素(RE:ミッシュメタルあるいはジジムとして添加、それぞれおもにCeあるいはNd)の添加により、粒界にMg12REがネットワーク状に晶 出する。常温での強度はあまり高くないが、200~250℃での強度が高く、クリープ特性に優れた耐熱用合金である。また、希土類元素の添加は鋳造性を改 善し、耐圧性を向上させる。AgあるいはY添加により、常温および高温での耐力が向上する。

②展伸用マグネシウム合金
展伸用マグネシウム合金の化学組成と機械的性質を表に示す。マグネシウム合金は塑性加工性が劣るため、展伸材の利用は鋳造材に比べ少ない。展伸材はおもにMg-Al-Zn系とMg-Zn-Zr系がある。

1. Mg-Al-Zn系合金(AZ31C,AZ61A,AZ80A)
Alを3%、Znを1%含有するAZ31系は、固溶硬化と加工硬化で強化して、板、管、棒、形材として最も多く使用されている。また、この合金は成形 性、溶接性にも優れている。最近では、Alを6%含有する、AZ61、AM60合金や、これまで鋳造用として使用されてたAZ91合金も使用されはじめて いる。
1. Mg-Zn-Zr系合金(ZK60A)
Zrを微量添加し、結晶粒を微細化して用いる。また、Zr添加により、熱間加工性が向上する。この合金は熱処理により耐力が向上し、耐力/比重の比強度が大きい。

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