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2021/10/27カテゴリーマグネシウム価格高騰に関する状況について



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マグネシウム価格高騰に関する状況について

一般社団法人日本マグネシウム協会
会長 井上 正士

既に新聞等で報道されておりますように、中国におけるマグネシウム生産が中国政府のエネルギー消費抑制政策の影響により減産しており、供給不安と価格高騰が続く状況となっています。その影響は当会の会員各位をはじめ、マグネシウム地金等を必要とする世界各国の関係各位に及んでおりますが、今後の動向は中国政府の対応によるものが大きく、見通しが予測し難い状態となっております。
当会では、中国の影響によるマグネシウム価格高騰等についての経緯、現況を下記のとおりにご報告させていただきます。また今後は、随時情報の更新を行って参りますのでよろしくお願い申し上げます。
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【経緯(9月まで)】
・脱炭素社会の実現へ向け、エネルギー消費抑制政策の強化を図ろうとする中国政府は、8月後半に2021年上半期にエネルギー消費量が増えている地域に警告を発出。
マグネシウムの主産地である陝 西省には最も厳しい第1レベル、山西省には第2レベルの警告が出された。

・陝西省楡林市では、9月に入り年内を期間とするエネルギー制限政策が打ち出され、マグネシウム製錬工場が集中する府谷県において、9月20日より工場への送電が停止され、製錬が停止となった。

・以降、山西省でもエネルギー消費量の多い企業に対する制限政策が実施され始めている。

・2020年における中国の純マグネシウム生産量は約96万トンで、陝西省が6割強の約60万トン、山西省が約2割の約20万トンを占める(中国マグネシウム協会発表)。

・価格は1月に$2,400/tくらい、3月頃から徐々に値上がりし5-6月に$3,000/t台、8月より急騰し、9月には$4,000/tから$10,000/tを超える水準にまで達することとなった。

【現況(10月下旬時点)】
・日本への輸入実績のあるイスラエル、トルコの純マグネシウム地金は、欧州企業が確保しており購入が困難な状況となっている。

・国慶節後、府谷県のマグネシウム製錬工場は一部再開したとの情報がある。ただし、楡林市の通達により、工場の稼働率は5割が上限(8月比)であり、流通量の少ない状況が続いている。

・相場は9月より下がったが、$8,000/t台で推移。今後しばらくの間はこの高価格が続く見込み。

【国内の対応・その他】
マグネシウムの供給不安、価格高騰は、マグネシウム合金による製品製造だけでなく、アルミニウム合金の製品製造、鉄鋼脱硫、
ノジュラー鋳鉄などの添加材分野にも大きな影響が及んでいます。
当会では、事務局により流通分野の会員企業を中心に中国の影響を調査し、国内におけるマグネシウム業界の状況を経済産業省へ適宜報告し、政府としての対応を求めています。また、2021年度より、NEDO の先導研究プログラムにより「濃縮海水を原料とするMgのグリーン新製錬技術開発」を開始し、国内製錬の実現へ向けて動き始めております。
中国の影響に伴うマグネシウム地金価高騰等により、各分野において厳しい状況となりましたことを憂慮しております。今回の事態は、企業努力だけでは解決できない問題であり、政府の協力を得ながら、当会としましても安定供給へ向けたあらゆる活動を進めて参ります。

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